なぜ日本はマネーリテラシーが低いのか? | 米英の金融教育と比較する

日本のマネーリテラシー(金融リテラシー)は海外と比べ低いと言われています。

今回の内容

・日本のマネーリテラシーの実態

・日本のマネーリテラシーが低い理由

・アメリカ・イギリスとの比較

日本のマネーリテラシーが低い理由

日本はマネーリテラシーが低いって聞いたけどさ、それって本当なの?

金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査2019」の共通問題の正答率では、日本が47%、米国が53%となっている。欧州国(英国、ドイツ、フランス)との比較でも日本は最下位となっているんだ。

共通問題の中の

金融知識に自身がある人の割合では、

日本が12%、米国が76%と大きく開いています。

日本は、マネーリテラシーが低いと

自身でもわかっているというデータになります。

※(出所)金融広報中央委員会/金融リテラシー調査(2019年)

ではなぜ日本はマネーリテラシーが低いのでしょうか?

預金、現金の割合が多い

こちらのデータを見ると、諸外国と比べ、現金・預金割合が高いことがわかります。

※(出典)日本銀行調査統計局/資金循環の日米欧比較(2020年8月21日)

圧倒的に日本の預金割合が高いね。それにしてもアメリカは株式等、投資の割合が高いねー!

日本人が現金を大切にする理由に

「バブル崩壊」が大きく関わると言われています。

バブル崩壊の際に、投資をしていた人達は大きく損をしました。

その時に投資の怖さが一気に派生したと言われています。

元々、安定志向の国民性に拍車を掛け、

預金至上主義という文化が根付いたと言われています。

なぜお金が汚いというイメージがあるのか?

日本ではお金の話をすると汚いや

投資が怖いといったネガティブなイメージが根付いています。

例えば、カフェでお金の話をしていると胡散臭いと言ったイメージを持つ方も多いと思います。

では、なぜそのようなイメージがあるのでしょうか?

それはお金に対する正しい知識が見についていないからです。

多くの人は知らない事に恐怖を感じてしまう。お金を理解していない人が多く、悪い話ばかりが耳に残るから、ネガティブなイメージがあるんだ。

お金のイメージが悪く、怖いため、どんどん安定志向になり、

勉強をしないという負のスパイラルが日本で起こっています。

打破するためには、正しい、金融教育が必要です。

日本よりマネーリテラシーの高い海外ではどのような

金融教育が行われているのでしょうか?

アメリカの金融教育

自由の国アメリカは自分の身は自分で守るという

自立した姿勢が求められます。

お金に対しても同じで、

自分で守り築いていく為の金融教育が当たり前のように施されます。

パーソナルファイナンス

アメリカの教育は、州ごとに異なりますが、

基本的にはどの州もパーソナルファイナンス(個人や家計におけるお金の管理)を中心に教育します。

実践的な内容が大きく、日常直面するお金の問題を解決する能力を身に着けていきます。

知識を身に着けていくだけでなく、

模擬体験やロールプレイング等を行ったりします。

お金の道しるべ

PACFC(金融能力に関する大統領諮問委員会)を設置し、

お金の道しるべ(Money Milestone)という達成基準を設けています。

子供が金融に関して賢く生きていくための20の事柄として定義されています。

(注)個人が金融機関に開設した積立勘定に税引後の所得を拠出する個人年金制度であり、
一定の要件を 満たすことで運用収益が非課税となる税制上の優遇措置を受けることができる。
(出典:“Money As You Grow 20 Things kids need to know financially smart lives”をもとに作成)

日本も2015年に金融リテラシーマップと言った物を作成したんだよ!なかなか知られていないのが現実なんだけど・・・。

ゲームや教材からもお金が学べる

英語圏のゲームや教材には、

投資(お金)を学べる物が多数あります。

世界的ボードゲームモノポリーもその一つです。

モノポリー(英語:Monopoly)は20世紀初頭にアメリカ合衆国で生まれたボードゲームの一つである。プレイヤーは双六の要領で盤上を周回しながら他プレイヤーと盤上の不動産を取引することにより同一グループを揃え、家やホテルを建設することで他のプレイヤーから高額なレンタル料を徴収して自らの資産を増やし、最終的に他のプレイヤーを全て破産させることを目的とする。モノポリーとは英語で「独占」を意味する。

引用:wikipedia

このゲームは元々、「The Landlord's Game」といった教育目的に制作されました。

リスクとリターンを考え、お金を使って行く感覚をゲームからも得ます。

各家庭の金融資産の割合も

32.5%が株式等、投資信託が12.3%、債務証券6%と

半分以上が投資に割り当てられています。

データからも分かるように、投資をするマインドが当たり前にあるのが、

日本との大きな違いです。

小さな頃から、親が投資をしていたら子供の意識は大きく代わるね。投資が当たり前の環境がアメリカのマネーリテラシーの高さの理由なんだね。

イギリスの金融教育

イギリスでは、2014年より金融教育が公立学校で必須となりました。

3歳から金融教育が始まります。

アメリカと比べ、パーソナルファイナンスよりも広く

社会構造の理解を目指します。

4つのフレームワーク

イギリスでは、4つのフレームワークに基づき教育していく。

1.お金の管理の仕方(How to manage money)

2.批判的な思考のできる消費者になる(Becoming a critical consumer)

3.リスク管理と感情(Managing risk and emotions)

4.金融が人々の生活で果たす役割(How finance plays an important part in people's lives)

2番は面白いね。日本ではちょっと想像できない考え方だね。

このフレームワークを3歳から11歳まで4つのステージに分け教育していきます。

思考力を身に付ける

私は友達におこづかいを貸しています。

彼は翌日お金を返済するといいました。

でも、1週間たっているのに、お金を返してくれません。

私はスクールトリップがあるのでお金がいるのです。

どうしたらいいですか?

助けてください。

このような問題を基に、クラスでグループセッションを行う。

と言った授業が行われます。

ただ、お金を計算する、資産運用するといった事だけでなく、

考える力を身に着けていくのも特徴の一つです。

小さな事から、お金の知識だけでなく、考えていく事は重要。アメリカとは違った良さがあるね。

まとめ

日本がなぜマネーリテラシーが低いのか。

それは単純に、金融教育が行われていない

この一言に尽きると思います。

先程参考にした「金融リテラシー調査」に面白いデータがあります。

金融教育を受けた人の正答率という項目があり、

日本62%、米60%で日本の方が高い数値となります。

しっかりと教育を行い、

お金に対する正しい理解。

マネーリテラシーを高めていく事で、

日本自体の活性化につながると思います。

2022年の4月から高校の新学習指導要領では、

家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定されました。

日本でも少しづつですが、

金融教育に重きを置き始めています。

まずは個々人で意識しながらマネーリテラシー(金融リテラシー)を高めていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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